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2026.01.05

壁と橋(2)ー「違う人」を遠ざけた、その後でー

 2025.06.05のブログでは、複数の所属集団があった場合、その違いに根拠がなくても「同じグループだ」と思うと、その外側に「壁」を作ると書きました。それでは、できあがった壁を壊すことができないのか。
 
 このことを問題にしたのがムザファー・シェリフのサマーキャンプ(泥棒洞窟)実験です。ここでは、ラトラーズとイーグルスと名づけられた(差異に根拠なく)対立していた集団の成員が、両方のグループが力を合わせなければ解決できない課題──たとえば、飲料水の確保──に共同で取り組むことによって、少しずつ相手集団への偏見を変え始めたというものです。これは、対立の枠組みにおける競争の構造を協力の構造に組み替えることによって、壁が橋に架けかえられたことを示しています。

 つまり、偏見や対立は周囲の社会的条件によっても変わるのです。この結果は、ほかの集団を知り、積極的な接触が、日常の場面で壁を越える鍵になることを示唆しています。日常の小さな場面で、私たちが壁を越える鍵は身近なところにあるのかもしれません。

(記:廣瀬清人)





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