2026.01.20
共有意思決定(Shared Decision Making,SDM)は,支援の方針を「支援者が決める」のでも,「本人に全部任せる」のでもなく,一緒に決めていく考え方です。心理支援の場面では,説明は理解できても,「結局どうすればいい?」が残ることがあります。SDMは,その人の生活や大切にしたいことを確認しながら,「どう選ぶか」までを支援に含めます。
心理支援の現場では,選択肢が最初から揃っているとは限りません。そこで,「いまの生活でできそうな案」をいくつか作って比べます。たとえば,「相談回数を増やす」だけでなく,「睡眠を整える工夫を先に試す」「しんどい時期だけ連絡手段を増やす」「家族への共有の仕方を決める」など,小さく分けて現実的にします。
決めた後に迷いが出るのも自然です。だからこそ,「揺れたら相談する」「このサインが出たら見直す」と戻り道を先に作っておくと,支援は続きやすくなります。SDMは,正解探しというより,納得して進むための土台づくりです。
(記:野村照幸)
