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2023.05.31

未来を変える失敗のとらえ方

我々は成功することよりも失敗することの方が多いです。特に、初めて挑戦するような課題では、まずほとんどが失敗の連続です。だからこそ、失敗のとらえ方、失敗の原因を何に求めるかによって、次の行動が大きく変わります。つまり、自分の未来を決めているのは、失敗への対処方法だと言えるのです。みなさん自身の未来を変えるために、失敗のとらえ方を考えてみましょう。

失敗の原因を何に求めるかは、大きく分けると2つあります。それは自分自身にその原因を求めるか、自分以外に求めるかという違いが一つです。これを内的−外的要因といいます。もう一つは、失敗の原因が比較的安定しているか、毎回異なるように不安定なものかということです。これを安定−不安定要因といいます。この2つの要因を掛け合わせると2×2で,下の表のように代表的な4つの失敗を求める原因が出てきます。

安定 不安定
内的 能力 努力
外的 課題


例えば、試験で失敗して悪い成績をとってしまったとしましょう。
まず第一には、内的で安定した原因です。
これは、自分自身の中で比較的安定したもの、つまり失敗したときに自分の能力がないからだと考える場合です。このように自分が能力がないから失敗したんだと考えると次の行動はどうなるでしょう。能力はなかなか身につくものではありません。センスといってもいいかもしれません。どうせ自分はセンスがないから、というとこれからどうしようと思うかというと、あきらめる場合の方が多いのではないでしょうか。これが一つ目の原因です。

第二に、外的で安定した要因です。
これは、自分以外で比較的安定したもの、つまり失敗したときに試験に出題された問題が難しかったからだと考える場合です。このように失敗の原因を課題の難しさに求めることはよく見受けられます。つまり、試験で良い成績がとれなかったのは、問題が難しかったからだという受け止め方です。例えば、志望大学の過去問が自分にとっては難しいと思ったら、どうせまた難しい問題が出て自分には無理だと考えて、あきらめてしまうようにはならないでしょうか。これが二つ目の原因です。

第三に、外的で不安定な要因があります。
これは、自分以外の比較的不安定なもの、つまり失敗したときにが悪かったからだと考える場合です。もちろん勝負は時の運という言葉もあるので、確かに運悪く試験ができないときもあるでしょう。しかし、勝敗(成績が良くない)はいつも時の運だと考えてしまうと、努力するのがばかばかしくなります。そして、試験までの縁起かつぎやジンクスばかりを考えるようにもなりかねません。これが三つ目の原因です。

最後は、内的で不安定な要因です。
これは、自分自身の中で比較的不安定なもの、つまり失敗したのは自分の努力が足りなかったからだと考える場合です。失敗の原因を自分の努力だと考えると、次にまた自分が努力すれば成功する、良い成績が取れるかもしれないと思えるのです。自分の努力はある意味不安定で、努力することも努力しないこともできるのです。

ここで紹介したのは、原因帰属という考え方です。試験で良い成績を取った場合でも同じです。自分が努力したから良い成績がとれた考えると、また努力しようと思えるでしょう。また、能力や課題の難しさに原因を求めた場合にも、次もうまくいくだろうという期待はできるでしょう。勉強でもスポーツでも同じです。少し考え方を変えることで次への行動、未来を変えることができますよ。

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